炎症が引き起こす肌への影響と、専門家が注目する発酵成分


若々しく美しい印象をもたらすだけではなく、肌の健康を保つことが、心身の健康にもつながる――。
という考え方が、ポピュラーになってきました。以前にも増して、ストレスフルになっている現代。私たちの肌を取り巻くストレスから守り、ダメージから解放することが欠かせません。今やスキンケア製品は、心地いい使用感に加え、新たな皮膚科学の知見を取り入れて開発される、健やかな肌を保つために重要なものとなっているのです。



京都大学大学院医学研究科皮膚科学
椛島教授の研究発表会を
美容ジャーナリスト 倉田真由美さんがレポート

肌に触れるものすべてがストレスとなり、炎症の引き金になる


皮膚の免疫やアレルギーを細胞レベルで解析し、原因や改善法を究明している椛島健治先生。 そもそも皮膚は、広げると1.6平方メートルもの大きさになり、10キロもの重量を持つ、私たち人間にとって最大の臓器です。体のいちばん外側にあるため、常に外的ストレスに晒され、日々炎症を生じています。

もちろん紫外線は、もっとも大きなストレス要因です。けれど、それ以外に、大気汚染や花粉などのアレルギー物質、オゾン、壁や家具の塗料さえもストレスとなっています。つまり、肌を取り巻くもの、肌に入るものすべてが、炎症の引き金になっているのです。
炎症だからといって、赤みやひりつきのような状態のことではありません。注意すべきは、目には見えず、肌の深部でくすぶるように生じている微弱な炎症の存在。椛島先生は、こういった炎症を「シークレットキラー」と呼び、心臓病やがん、アルツハイマーといった疾患の原因にもなる、と警鐘を鳴らします。

ただ肌の免疫機能や抗酸化力がきちんと発揮されていれば、炎症を最小限に抑え、本来の恒常性を保つことができます。それには、不飽和脂肪酸である「オメガ3」を多く含む青魚などの海産物、くるみや亜麻仁油などを適切に摂るのが効果的。
また、炎症により生じるスパイラルを抑えるケアで、肌のバリア機能や修復力をサポートすることも欠かせません。
そうお話くださる椛島先生も、年齢を感じさせない若々しい肌の持ち主でした。

「海藻シーケルプファーメント」で、ストレスに負けない肌を目指す


「口から食べるもの」と「外から肌を整えるもの」。その二つがあって初めて、肌の健康は保たれる、というのが今や常識です。

中でも今、注目したいのが「海藻シーケルプファーメント」です。
この研究成果は、ウィーンで開催された第3回炎症性皮膚疾患サミットや、ミラノで開催された専門家が参加する、世界最大規模の皮膚科学会で研究発表され、さまざまな分野のエキスパートが注目する先端の美肌成分です。

サイエンスリリース
海藻シーケルプファーメントが肌炎症䛾スパイラルを阻止し、皮膚細胞䛾ダメージ修復を促進させる事を発見
この「海藻シーケルプファーメント」の魅力は、外的ストレスにより生じた炎症をあらゆる段階で和らげるところです。
微細な炎症を初期段階ですばやく抑えるのはもちろん、肌の内部でくすぶるように増幅している炎症を鎮静し、収束へと導きます。さらに、より深刻な皮膚細胞が負ってしまったダメージの修復を助けます。

人類のルーツである海

私たち生命体のルーツは海にあるといわれています。
ゆえに海藻などの海洋植物は、地球上でもっとも早く誕生した植物であると考えられています。
私たち人間にはない能力や、豊富なミネラル・ビタミンを含む海洋性植物に、バイオ発酵プロセスという新しい手法を組み合わせることで、その可能性はさらに広がり、私たちにさまざまな恩恵をもたらしてくれます。

椛島健治
かばしま・けんじ

京都大学大学院医学研究科
皮膚科学 教授
1996年京都大学医学部卒業。ワシントン大学医学部付属病院などでの勤務を経て現職。炎症メカニズム解明やオメガ3脂肪酸による皮膚アレルギーの抑制効果に関する研究など臨床に直結する研究成果で高く評価されている。

倉田真由美
くらた・まゆみ

東京生まれ。
35年以上のキャリアを持つ美容ジャーナリストの草分け的存在。女性誌編集部、編集プロダクションを経て独立し、雑誌の美容ページやWEB、新聞のコラムなどで執筆活動を続ける。

現在は、クロワッサン(マガジンハウス)、エクラ(集英社)、マリ・クレール・スタイル(中央公論新社)、婦人画報(ハースト婦人画報社)、マキア(集英社)、ミセス(文化出版局)、和楽(小学館)、プレシャス(小学館)、大人のおしゃれ 上妻直美手帳(宝島社)、@コスメ(アイスタイル)などで活躍中。

トレンドをバランスよく取り入れながら、ユーザーの立場に立った適切な記事やコメントを発信している。また近年は、トークイベントやセミナーなどを行い、美容やエイジングケアにまつわる啓蒙活動にも力を注いでいる。